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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第35章 名前①
「きゃっ!」
抱き着いた彼女の身体を少し乱暴に引き離すと、魔王は両肩を掴んできた。
フィーネが逃げることが出来ないよう、強く。
咄嗟のことに、細い肩がびくっと震え、声が出てしまう。恐る恐る顔を上げて魔王の表情を見た時、照れていると思った彼の表情の理解が間違っていたことに気づいた。
彼は、恥ずかしがっていたのではなく、
「フィーネ……お前と心が通じ合い、今すぐにでも抱きたい気持ちをどれだけ堪えている思っている? お前がそうやって煽ってくるなら……こちらにも考えがある」
「あ、煽ってなんて……そん……やっ!」
ドサッと地面に伏せる音と、短い悲鳴が響き渡る。
次の瞬間、フィーネの身体は地面に押し倒され、視線の先には真っ青な空と、こちらを意地悪く見つめる魔王――ソルの姿が映っていた。
抱き着いた彼女の身体を少し乱暴に引き離すと、魔王は両肩を掴んできた。
フィーネが逃げることが出来ないよう、強く。
咄嗟のことに、細い肩がびくっと震え、声が出てしまう。恐る恐る顔を上げて魔王の表情を見た時、照れていると思った彼の表情の理解が間違っていたことに気づいた。
彼は、恥ずかしがっていたのではなく、
「フィーネ……お前と心が通じ合い、今すぐにでも抱きたい気持ちをどれだけ堪えている思っている? お前がそうやって煽ってくるなら……こちらにも考えがある」
「あ、煽ってなんて……そん……やっ!」
ドサッと地面に伏せる音と、短い悲鳴が響き渡る。
次の瞬間、フィーネの身体は地面に押し倒され、視線の先には真っ青な空と、こちらを意地悪く見つめる魔王――ソルの姿が映っていた。