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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第35章 名前①
何故なら、風で揺れる銀髪の隙間から覗く耳たぶが、真っ赤になっていたからだ。
先ほどまでしっかりフィーネに合わされていた視線も、どこか落ち着きなく揺れているように思える。
(もしかして……私に名前を呼ばれて照れていらっしゃる?)
そう思ったら、心のそこから優越感が込み上げてきた。
あの強大な力の持ち主を、自分のたった一言が動揺させていると思うと、堪らなくなる。
フィーネは魔王の首元に腕を絡めて抱きしめると、真っ赤になった耳元で名を呼んだ。
「……ソル」
いつも冷然としている彼の表情が、どれ程の変化を見せてくれるのか楽しみだった。それに、今まで彼によって仕掛けられてきた淫らな悪戯の、ちょっとした仕返しにもなると思ったのだ。
(きっと、もっともっと動揺されるに違いないわ)
そう思い、ふふっと心の中で意地悪く笑った。しかしフィーネの考えなど、御見通しだったのだろう。
先ほどまでしっかりフィーネに合わされていた視線も、どこか落ち着きなく揺れているように思える。
(もしかして……私に名前を呼ばれて照れていらっしゃる?)
そう思ったら、心のそこから優越感が込み上げてきた。
あの強大な力の持ち主を、自分のたった一言が動揺させていると思うと、堪らなくなる。
フィーネは魔王の首元に腕を絡めて抱きしめると、真っ赤になった耳元で名を呼んだ。
「……ソル」
いつも冷然としている彼の表情が、どれ程の変化を見せてくれるのか楽しみだった。それに、今まで彼によって仕掛けられてきた淫らな悪戯の、ちょっとした仕返しにもなると思ったのだ。
(きっと、もっともっと動揺されるに違いないわ)
そう思い、ふふっと心の中で意地悪く笑った。しかしフィーネの考えなど、御見通しだったのだろう。