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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第37章 名前③
城への帰り道、身体の火照りを持て余しながら、フィーネは馬を走らせていた。
風を切る心地よさが、肉欲に塗れた思考を落ち着かせてくれる。
代わりに思い浮かぶのは、ソルがフィーネに想いを伝えてくれたこと。
あの時の言葉を思い出すと、涙が滲みそうになるくらいの喜びが沸き上がる。
自分を愛してくれる人がいるなど、そして自分に人を愛する気持ちがあるなど、思ってもみなかった。
そして強く強く自覚する。
(私は……あの方を愛している……)
出会った時は、敵だった。
純潔を奪われた後は、主人となった。
道具としてぞんざいに扱われることを覚悟していたフィーネに対し、彼はとても優しかった。
フィーネが自分の気持ちに正直に生きられるよう、そして心の傷を癒せるよう、気遣ってくれた。
風を切る心地よさが、肉欲に塗れた思考を落ち着かせてくれる。
代わりに思い浮かぶのは、ソルがフィーネに想いを伝えてくれたこと。
あの時の言葉を思い出すと、涙が滲みそうになるくらいの喜びが沸き上がる。
自分を愛してくれる人がいるなど、そして自分に人を愛する気持ちがあるなど、思ってもみなかった。
そして強く強く自覚する。
(私は……あの方を愛している……)
出会った時は、敵だった。
純潔を奪われた後は、主人となった。
道具としてぞんざいに扱われることを覚悟していたフィーネに対し、彼はとても優しかった。
フィーネが自分の気持ちに正直に生きられるよう、そして心の傷を癒せるよう、気遣ってくれた。