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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第38章 拒絶①
フィーネだけのものだったソルとの思い出が、艶やかな花の色の前に色あせていく。
彼女の幸せなど、ソルから贈られた言葉など、ただのまやかしだと、彼の心は女神にあるのだと言わんばかりに、ピアチェの花は真っ赤な色を主張しているように見えた。
(私はピアチェ様の……身代わり?)
彼女と同じ特徴を有する自分に、女神の姿を重ねて愛している、のではないかと。
足元にあった世界が崩れるような気がした。