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第39章 拒絶②

　フィーネの頭の中は、女神と魔王の関係で一杯だった。

　今、ここに座っているソファーですら、過去、ピアチェとソルが愛を語らったものかもしれない。

　そう思うと、今まで感じたことのない、重く、しかしドロドロした熱が鳩尾に溜まっていく。

（これは……嫉妬だわ……）

　フィーネは両手を顔で覆い、俯いた。
　
　世界を救った女神に対し、ただの人間である自分が、嫉妬の気持ちを持つなど畏れ多い。

　そう恥じる気持ちとは正反対に、相手が女神といえ、彼の想いを独占したいと言う身勝手な欲望が溢れ出し、激しい葛藤が起こった。

　どちらもフィーネが抱く本心。
　だから、決着をつけることが出来なかった。

　ソルに対して強く感じる感情もあった。

　胸の奥が、涙が溢れそうになるほど強く締め付けられる、悲しみと失望。