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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第42章 監禁②
 ガーランドとララは立ち去り、フィーネは縛られた状態のまま、気を失うソルとこの部屋に残された。

 敵の姿がなくなると、ようやく周囲に意識を向ける余裕が生まれ、改めて部屋を見回す。

 石造りの壁に囲まれた、窓のない部屋。
 じめじめしつつも、陽の光が入らないため、ひんやりとしている。

 壁は薄汚れており、ところどころに黒い染みが飛び散っているのが見えた。

 恐らく、血だろう。

 囚われた者がここで拷問を受けたかと思うと、身体が恐怖で震えそうになる。
 しかしぐっと奥歯を噛みしめると、他に得られる情報がないかと見回した。

 出入り口は一つ。
 石造りの階段を上がった先にある、ドアだけだ。
 
 だが丈夫な鉄格子で作られており、フィーネの細腕では鈍器を使っても破壊は難しそうに思えた。

 部屋の中央に視線を向ける。

 ソルは部屋の中央にある柱に、両手と胴を鎖で縛り付けられていた。
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