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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第43章 女神①
ソルがピアチェと初めて出会った時、そうであったように。
預かったピアチェの力を彼女に返せば、ソルの役目も終わるはずだった。
ピアチェが目覚め、愛する人を喜びとともに抱きしめられるはずだった。
しかし、
「元の持ち主に戻ろうとしたピアチェの力を、お前の心が拒んだのだ」
「……え? どうして、そんな……」
「……お前の心は人間によって傷つけられて弱り、女神の力を受け入れる強さを失っていたからだ」
そう話すソルの声は、怒りで震えているように思えた。
予期せぬ事態に戸惑いながらも、ソルはフィーネの封印を解いた。
が、ここでも問題が発生した。
彼にとって、もっとも深刻と言える問題が。
"あなたは一体……何者なのですか?"
目覚めたフィーネは、ソルを覚えていなかった。
それどころか、結んだ魂の繋がりさえも忘れていた。
恋人であった自分を見て恐怖し拒絶し、別の男との交わりを許容していた。
預かったピアチェの力を彼女に返せば、ソルの役目も終わるはずだった。
ピアチェが目覚め、愛する人を喜びとともに抱きしめられるはずだった。
しかし、
「元の持ち主に戻ろうとしたピアチェの力を、お前の心が拒んだのだ」
「……え? どうして、そんな……」
「……お前の心は人間によって傷つけられて弱り、女神の力を受け入れる強さを失っていたからだ」
そう話すソルの声は、怒りで震えているように思えた。
予期せぬ事態に戸惑いながらも、ソルはフィーネの封印を解いた。
が、ここでも問題が発生した。
彼にとって、もっとも深刻と言える問題が。
"あなたは一体……何者なのですか?"
目覚めたフィーネは、ソルを覚えていなかった。
それどころか、結んだ魂の繋がりさえも忘れていた。
恋人であった自分を見て恐怖し拒絶し、別の男との交わりを許容していた。