この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第47章 脱走①
ちらっと隣を見ると、世話役兼見張り役のセイラムがピッタリついて歩いている。
黒髪の女性は無表情で、何を考えているのか分からない。
その時、
「お姉ちゃん!」
高く幼い声と共に、黒髪の少女が飛び出してきたのだ。見た目、十一歳ぐらいだろうか。
妹なのだろう。
セイラムとよく似ている。
少女の突然の登場に、セイラムの無表情が崩れた。
慌てた様子で青い瞳を見開き、抱きついてきた少女の身体を離す。
「リリア! こんなところで何をしているの⁉」
「今から、地下牢にいる男の人のお世話に行くの。そしたらお姉ちゃんの姿が見えたから……」
満面の笑顔だった少女――リリアの顔から笑みが消えた。せっかく会えた姉に怒られ、しゅんとしている。
リリアの発言に、フィーネはドキッとした。
(地下牢の男……ソルだわ。あんなボロボロな状態の人の世話を、こんな少女に任せるなんて……)
黒髪の女性は無表情で、何を考えているのか分からない。
その時、
「お姉ちゃん!」
高く幼い声と共に、黒髪の少女が飛び出してきたのだ。見た目、十一歳ぐらいだろうか。
妹なのだろう。
セイラムとよく似ている。
少女の突然の登場に、セイラムの無表情が崩れた。
慌てた様子で青い瞳を見開き、抱きついてきた少女の身体を離す。
「リリア! こんなところで何をしているの⁉」
「今から、地下牢にいる男の人のお世話に行くの。そしたらお姉ちゃんの姿が見えたから……」
満面の笑顔だった少女――リリアの顔から笑みが消えた。せっかく会えた姉に怒られ、しゅんとしている。
リリアの発言に、フィーネはドキッとした。
(地下牢の男……ソルだわ。あんなボロボロな状態の人の世話を、こんな少女に任せるなんて……)