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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第50章 治療②
 自身を慰める指を止めることができず、溢れた蜜が、いやらしく音を立てた。
 
(こんなの、だめなのに……)

 カケラ残った理性がそう制するが、だめだと思えば思うほど、背徳的な行為に気持ちが昂ぶって感度が増す。

 そんな彼女の葛藤に気づいているのか、フィーネの劣情を煽るように、ソルが囁く。

「ここまで、いやらしい音が聞こえてくるな、フィーネ……」

「や……だ……聞かない……で……おねがい……こんなわたしを……んっ……みない……で……」

 こんなはしたない姿を、ソルに見られたくなかった。
 治療と言ったのに、結局自身の肉欲に負け、気持ちよくなってしまった自分が恥ずかしかった。
 だらしない自分を見て、彼が幻滅しないか不安がよぎった。

 彼と自身の指で激しく乱れながら、潤んだ瞳をソルに向けて懇願する。
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