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第57章 再会①

　彼女は、フィーネがピアチェだったころから、ずっと彼女の侍女として仕えており、とても仲が良かったからだ。例え転生し姿形が変わっていても、彼女を慕い、抱く愛情は変わらなかったのだ。

　魔王の話を聞きながら、両目に涙を溜め、最後はテーブルに突っ伏して号泣したアンジェラの姿を思い出す。

　ソルは深いため息をつくと、ピアチェの花から手を離し、部屋へ入った。

　長い間使われていない部屋は、フィーネの帰還を信じて待つアンジェラによって、今も綺麗に保たれている。
　
（誰も、使わないのにな……）

　温もりの失せた部屋を見つめながら、小さく笑った。だが、アンジェラらしいとも思う。

　ソファーに座ると、ここでたくさんフィーネと会話した思い出が蘇る。
　
　はじめは、不安を抱く彼女の気持ちを和らげたくて、こちらが一方的に話をしていた気がする。