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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第57章 再会①
彼らがソルに干渉するのは、それを恐れてのことだろう。
こんな自分に心配しながらも付いてきてくれる彼らに、申し訳ない気持ちが湧きあがる。
(そうだ。このままでは皆にいらぬ心配をかけてしまう。しっかりしなければ……)
自分は魔族を統べる長。
こんな情けない姿を、皆に見せるわけにはいかない。
両頬を強めに打つと、パチンと乾いた音が響き渡る。
その音に導かれるように顔を上げた時、
"……ソル"
耳の奥で響きわたった声に、思わず立ち上がった。
あまりにも愛しい人の声に似ていたからだ。
幻聴かもしれない。
しかし幻聴だと片付けるには、あまりにも生々しい声だった。
こんな自分に心配しながらも付いてきてくれる彼らに、申し訳ない気持ちが湧きあがる。
(そうだ。このままでは皆にいらぬ心配をかけてしまう。しっかりしなければ……)
自分は魔族を統べる長。
こんな情けない姿を、皆に見せるわけにはいかない。
両頬を強めに打つと、パチンと乾いた音が響き渡る。
その音に導かれるように顔を上げた時、
"……ソル"
耳の奥で響きわたった声に、思わず立ち上がった。
あまりにも愛しい人の声に似ていたからだ。
幻聴かもしれない。
しかし幻聴だと片付けるには、あまりにも生々しい声だった。