この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第57章 再会①
「フィーネ、お前に……会いたい……」
ベッドに腰掛け、組んだ両手で顔を覆うと、ソルは泣きそうな声色で呟いた。
彼女を、ひと時も忘れたことはない。
ともに過ごした思い出に触れるたび、恐ろしいほど深い後悔に身も心を沈んでいく。それなのにこの場所を訪れることを、彼女との思い出に浸ることを、やめられない。
それが、さらに自身の心を傷つける行為だとは分かっていても。
世界にとって、フィーネが女神の力を取り戻したことは、喜ぶべきもの。
今抱く気持ちは、自分勝手なもの。
だけど苦しくて堪らない。
後悔と自責の念だけが、ずっと心を苛み続けていた。
(そろそろ、城に戻らなければ……)
最近、アンジェラたちの干渉が多くなった気がする。
魔族は、精神的負荷に弱い。
魔王であるソルは、他の魔族たちよりも強いほうではあるが、それでもこの状態が長く続けばやがては心の病で倒れてしまう。
ベッドに腰掛け、組んだ両手で顔を覆うと、ソルは泣きそうな声色で呟いた。
彼女を、ひと時も忘れたことはない。
ともに過ごした思い出に触れるたび、恐ろしいほど深い後悔に身も心を沈んでいく。それなのにこの場所を訪れることを、彼女との思い出に浸ることを、やめられない。
それが、さらに自身の心を傷つける行為だとは分かっていても。
世界にとって、フィーネが女神の力を取り戻したことは、喜ぶべきもの。
今抱く気持ちは、自分勝手なもの。
だけど苦しくて堪らない。
後悔と自責の念だけが、ずっと心を苛み続けていた。
(そろそろ、城に戻らなければ……)
最近、アンジェラたちの干渉が多くなった気がする。
魔族は、精神的負荷に弱い。
魔王であるソルは、他の魔族たちよりも強いほうではあるが、それでもこの状態が長く続けばやがては心の病で倒れてしまう。