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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第58章 再会②
もしかすると、ソルはもうとっくに年老いて死んでしまっているかもしれない。
(すぐに帰ると……約束したのに……)
力の根源と世界は繋がったままなので、フィーネがここにいてもあの世界が崩壊することはない。が、戻る、という約束は果たせそうになかった。
動けない身体で、どこにいるのか分からない空間を、ずっとさまよい続けるしか……
愛する者たちが住まう世界を守れたなら、それでもいい。
しかし、
(会いたい……ソルにもう一度会いたい……)
もう二度と愛する者に会えないという事実が、あまりにも辛すぎた。
喜びや幸せという感情が心からえぐり取られ、代わりに絶望が空いた穴を満たしていく。身体からも心からも温もりが消え失せ、足先から冷気が這い上がっていくような感覚が身体を襲う。
瞳から涙が途切れることなく流れ続け、喉の奥から嗚咽がこみ上げてきた。
(すぐに帰ると……約束したのに……)
力の根源と世界は繋がったままなので、フィーネがここにいてもあの世界が崩壊することはない。が、戻る、という約束は果たせそうになかった。
動けない身体で、どこにいるのか分からない空間を、ずっとさまよい続けるしか……
愛する者たちが住まう世界を守れたなら、それでもいい。
しかし、
(会いたい……ソルにもう一度会いたい……)
もう二度と愛する者に会えないという事実が、あまりにも辛すぎた。
喜びや幸せという感情が心からえぐり取られ、代わりに絶望が空いた穴を満たしていく。身体からも心からも温もりが消え失せ、足先から冷気が這い上がっていくような感覚が身体を襲う。
瞳から涙が途切れることなく流れ続け、喉の奥から嗚咽がこみ上げてきた。