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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第61章 これから①
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その元凶がいなくなり、急激に世界が回復している。
そして近々、世界は完全に女神の手から離れる。
「恐らく、20年以内には完了するわ。そしたら私は……神々の国に帰らなければならない」
「……また、離れなければならないのか? お前と……たった20年しか、ともにいられないのか?」
熱を失った声色が、痛いほど彼の気持ちを伝えてくる。抱きしめる太い腕が、離さないという意思を示すように震えていた。
辛そうに俯くソルの頰に触れ、その翠色の瞳をこちらに向けさせると、フィーネは真っ直ぐ見つめた。
心に、不安を抱きながら。
「だから……もし、あなたがこの世界で生を全うしたら……私とともに神々の地へ来て……」
ソルが死んだ後、その魂とともに神々の地へ帰る。
それがフィーネの願いだった。
そして近々、世界は完全に女神の手から離れる。
「恐らく、20年以内には完了するわ。そしたら私は……神々の国に帰らなければならない」
「……また、離れなければならないのか? お前と……たった20年しか、ともにいられないのか?」
熱を失った声色が、痛いほど彼の気持ちを伝えてくる。抱きしめる太い腕が、離さないという意思を示すように震えていた。
辛そうに俯くソルの頰に触れ、その翠色の瞳をこちらに向けさせると、フィーネは真っ直ぐ見つめた。
心に、不安を抱きながら。
「だから……もし、あなたがこの世界で生を全うしたら……私とともに神々の地へ来て……」
ソルが死んだ後、その魂とともに神々の地へ帰る。
それがフィーネの願いだった。
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