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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第61章 これから①
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「なんで顔をしている、フィーネ。私が断るとでも思ったのか? 私の気持ちも、見くびられたものだな」
「ほんとうに……いいの? ほんとうに? 本当に⁉︎」
「何度確認してもいいが、答えは変わらないぞ」
フィーネの唇がきつく結ばれる。しかし、どうしても震えが止まらない。
じわっと目頭が熱くなり、視界が揺れる。
今日は泣いてばかりだ。
でも、そのほとんどが嬉し泣きだ。
ソルの想いの強さに泣いて、
ソルと再会したことに泣いて、
ソルが自分を選んでくれたことに泣いて。
「ごめん……なさい。私、あなたの前で泣いてばかりだわ……」
「気にするな。涙なら、何度でも拭ってやる」
そう言って、ソルが指で涙をすくいとった。温かな指先の温もりに、心の奥がジンと痺れる。
「ありがとう、ソル。本当に……本当に嬉しいわ」
神々の世界に帰っても、愛する者と生きていける。それが何よりも、嬉しかった。
実はフィーネにはもう一つ、望んでいることがあった。
「ほんとうに……いいの? ほんとうに? 本当に⁉︎」
「何度確認してもいいが、答えは変わらないぞ」
フィーネの唇がきつく結ばれる。しかし、どうしても震えが止まらない。
じわっと目頭が熱くなり、視界が揺れる。
今日は泣いてばかりだ。
でも、そのほとんどが嬉し泣きだ。
ソルの想いの強さに泣いて、
ソルと再会したことに泣いて、
ソルが自分を選んでくれたことに泣いて。
「ごめん……なさい。私、あなたの前で泣いてばかりだわ……」
「気にするな。涙なら、何度でも拭ってやる」
そう言って、ソルが指で涙をすくいとった。温かな指先の温もりに、心の奥がジンと痺れる。
「ありがとう、ソル。本当に……本当に嬉しいわ」
神々の世界に帰っても、愛する者と生きていける。それが何よりも、嬉しかった。
実はフィーネにはもう一つ、望んでいることがあった。
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