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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第63章 これから③
 唇の間から、卑猥な水音を響かせながら、寝衣の胸ボタンが、ソルの手によって一つ一つ外されていく。

 彼女を縛る、という行動をとった者とは思えない、優しく丁寧な手つきだ。

 しかしそれを抗う方法も、理由も、フィーネは持っていない。ただ、時折肌に触れる指の感覚に、ピクリと身体を反応させている。

 ボタンが外され前身頃が開かれると、中におさまっていた柔らかな膨らみがこぼれおちた。

「以前と変わらず、綺麗な身体だ」

 フィーネの口元から垂れる唾液を指で拭うソルの目が、情欲に満ちた熱いものへと変わると、余裕のない手つきで自身の上半身の衣服を脱ぎ捨てた。

 五年経っても変わらない逞しい身体が、晒される。
 
 胸をはだけさせられた姿を見つめられ、フィーネは恥ずかしくて嫌々と首を振った。上で固定された腕で目元を覆って表情を隠す。
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