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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第64章 これから④
 邪神を滅する力を持ちながらも、愛する男には簡単に組み伏せられ、快楽に屈する自分を皆が知ったら、何と思うだろう。

 女神の沽券にかかわる、由々しき事態だ。

 彼女の弱々しい懇願が、ソルの欲望を刺激したのだろう。彼の荒い息遣いが、耳たぶを撫でた。

「……安心しろ、誰にも見せるものか。この表情も……」

 興奮した声とともに、フィーネの頰をソルの手が撫でる。

「この声も……」

 ソルの親指が口内に侵入し、歯列をなぞって舌を弄ぶ。

「全部……私だけのものだ」

 狂おしいほどの独占欲に、目眩すら覚える。

 興奮した声とともに、首筋に甘い痛みが走ると、フィーネの白い喉が仰け反った。
 彼の唇が首筋や鎖骨に吸い付き、痕を残しているのだと、すぐに分かった。

 それも服で隠れない、人の目に触れる部分ばかりだ。
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