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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第11章 忠誠①
きっと、あの時と同じような悲しい表情を浮かべている。
そう思うと、何か言わなければと焦りの気持ちが沸き上がった。しかし、彼にかける言葉が見つからない。
小さく口を開いてはきつく結ぶ、を繰り返していると、すぐ近くで気配を感じた。
顔を上げると、
「んっ……」
唇に温かさが乗った。瞳を閉じたのと同時に、喉の奥から無意識に声が洩れる。
抵抗するまもなく遠ざかって行った温もりを追うように、フィーネの瞳が開いた。
(キスを……)
恥ずかしさに眉根を寄せながら、口元を押さえる。恥じる顔を見られたくなくて、少し俯いた。
「……嫌か?」
突然問われ、フィーネは顔を上げた。目の前に映る表情を見て、胸の苦しさを覚える。
こちらを見つめる魔王の表情が、強張っている。
唇を強く結び、顔を顰めて、一見不快感を露わにしているように見えるが、纏う雰囲気は強い罪悪感。
そう思うと、何か言わなければと焦りの気持ちが沸き上がった。しかし、彼にかける言葉が見つからない。
小さく口を開いてはきつく結ぶ、を繰り返していると、すぐ近くで気配を感じた。
顔を上げると、
「んっ……」
唇に温かさが乗った。瞳を閉じたのと同時に、喉の奥から無意識に声が洩れる。
抵抗するまもなく遠ざかって行った温もりを追うように、フィーネの瞳が開いた。
(キスを……)
恥ずかしさに眉根を寄せながら、口元を押さえる。恥じる顔を見られたくなくて、少し俯いた。
「……嫌か?」
突然問われ、フィーネは顔を上げた。目の前に映る表情を見て、胸の苦しさを覚える。
こちらを見つめる魔王の表情が、強張っている。
唇を強く結び、顔を顰めて、一見不快感を露わにしているように見えるが、纏う雰囲気は強い罪悪感。