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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第12章 忠誠②
疑問を抱くと同時に、この表情を見ると胸の奥が苦しく息が詰まる。その理由がフィーネにはどうしても分からない。
魔王の手が、フィーネの頬に触れた。
優しく温かい指先に、思わず瞳を閉じてしまう。視界を閉じると、触れられた感触が肌を伝わり、心の奥で疼く痛みまで届いた気がした。
冷たく縮こまっていた心が、安らぎを取り戻すような。
瞳を開くと、自分の主となった男はこちらを見下ろしたままだ。翠色の瞳には、葛藤が見て取れた。
フィーネの口元に、笑みが浮かぶ。
「ですからお気遣いは無用だと。あなた様が思うままに……」
何に対する葛藤なのか、手に取るように分かった。
フィーネを抱きたい。
しかし、乱暴に純潔を奪ったことが罪悪感として残っているからか、このまま欲望を満たしていいのか迷っているのだ。
(アンジェラさんの言葉が、効いているのかもしれない)
魔王の手が、フィーネの頬に触れた。
優しく温かい指先に、思わず瞳を閉じてしまう。視界を閉じると、触れられた感触が肌を伝わり、心の奥で疼く痛みまで届いた気がした。
冷たく縮こまっていた心が、安らぎを取り戻すような。
瞳を開くと、自分の主となった男はこちらを見下ろしたままだ。翠色の瞳には、葛藤が見て取れた。
フィーネの口元に、笑みが浮かぶ。
「ですからお気遣いは無用だと。あなた様が思うままに……」
何に対する葛藤なのか、手に取るように分かった。
フィーネを抱きたい。
しかし、乱暴に純潔を奪ったことが罪悪感として残っているからか、このまま欲望を満たしていいのか迷っているのだ。
(アンジェラさんの言葉が、効いているのかもしれない)