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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第15章 自由
フィーネは、かすかに聞こえる物音で目を覚ました。身じろぎし、ゆっくりと身体を起こすと、栗毛色のフワフワが視界に入った。
記憶を探り、栗毛色のフワフワの持ち主の名を呼ぶ。
「アンジェラ……さん?」
フワフワは、先ほどフィーネの侍女だと紹介を受けた中年女性アンジェラだった。やはり自分よりも年上の女性を呼び捨てにするのに抵抗があり、敬称を付けてしまう。
ちらっと横を見ると、魔王の姿は何処にもなかった。
ぼんやり遠ざかる記憶の中、彼が優しくお休みを伝えていたのを思い出す。
主が部屋を去るのを見送りもせず、睡魔に負けてしまった自分が情けなくて、申し訳ない気持ちになる。
もうこの部屋にいない魔王に対し、フィーネは心の中で謝罪した。
彼がいたはずの場所に手を置くと、まだほのかに残る温もりに、一抹の寂しさがよぎる。
記憶を探り、栗毛色のフワフワの持ち主の名を呼ぶ。
「アンジェラ……さん?」
フワフワは、先ほどフィーネの侍女だと紹介を受けた中年女性アンジェラだった。やはり自分よりも年上の女性を呼び捨てにするのに抵抗があり、敬称を付けてしまう。
ちらっと横を見ると、魔王の姿は何処にもなかった。
ぼんやり遠ざかる記憶の中、彼が優しくお休みを伝えていたのを思い出す。
主が部屋を去るのを見送りもせず、睡魔に負けてしまった自分が情けなくて、申し訳ない気持ちになる。
もうこの部屋にいない魔王に対し、フィーネは心の中で謝罪した。
彼がいたはずの場所に手を置くと、まだほのかに残る温もりに、一抹の寂しさがよぎる。