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rena's room ☕ breaktime
第3章 Request2┈*★*┈片想いの行方
私の涙は止まったけど
鉄壁ポーカーフェイスの彼の方が、崩れつつある。
えぇ、お察しの通り絶賛妄想しています。
というか浮かんできてしまったの。
私と同じ立場の、彼女の姿が。
「……蘭、何が言いたい」
「正直に言うわ。
今この場所に来た理由が、佐伯お嬢様なの」
ピクッとこめかみが動いた葵から離れて、また壁に寄りかかった。
「忘れようとしても、やっぱり今でも鮮明に浮かぶのよ。
2月末の寒空の下。
真っ白なダッフルコートに、手を差し伸べる漆黒のトレンチコート」
「……!」
「それはまるで王子様とシンデレラ……と同時に
岩陰(石像)から覗いていた自分が、意地悪な継母に見えてきて」
「……っ」
「恥ずかしい、の一言に尽きるでしょ。
いい歳して勝手にヤキモチ焼いて、バカみたい」
だから姫宮さんに同じ思いをしてほしくなかった。
……でも、初めからそんな心配ないか。
私への助言をしてくれる教祖本人なんだから。
あれ、じゃあ私なんでここに来たのかな。
っていうか、そもそもRequest2って姫宮さんと美和さんのSSだし……
「ごめん葵、なんの話だっけ?」
「~~俺が聞きてぇよ!!」