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rena's room ☕ breaktime
第3章 Request2┈*★*┈片想いの行方
「……高校2年の夏、都大会。
17歳の少年が全速力で総合施設のプールまで爆走したことを、お前は知らない」
「……!」
「体育館の裏で、優勝したヒーローと両想いになったヒロインを見て
願いが叶ってよかったと納得して、そっとその場から去ったんだ」
「……」
ゾクッと背中に衝撃が走って、全身が硬直するけど
……頭を抱えて話すヒメを見たら
もう、だめだった。
「その10年後、ハゲ撃退劇を終えたあと
奇しくも今夜と同じ場所の先、クリスマスツリーの下」
「……っ」
「海外から戻ったエリートサラリーマンが、また目の前に現れた。
救出した立役者が満を持して…」
「ヒメ……!」
ベッドから降りて、そのままヒメの肩に腕を回した。
「……っ」
膝立ちになって、ぎゅうっとキツく
ヒメが窒息するかもしれないってくらい、抱きしめた。