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rena's room ☕ breaktime
第2章 Request1┈*★*┈唇に媚薬
「全部お前のせいだな」
「……えっ?」
「毎回会う度に、いちいち感動させられるのも
当たり障りねぇ会話が、超楽しいのも」
「……!」
「こんな自分が悪くねぇなって思えるのも
……結局、蘭が原因」
押し付けがましい台詞が、少しは響いたらしい。
固まったその背中。
さらに腕を回して引き寄せた。
「 ‟ エグくて人間じゃねぇ ” と新人から揶揄されて
ちゃんと教育しろと同期に叱られた男は、意外と疲れていたんだけど
……10分前に、一瞬で吹き飛んだ」
「……!」
「冗談みてぇだろ。
お前に逢えただけで、だぜ?」
両手で抱えて閉じ込めると、蘭の鼓動に触れて
……心の奥から、熱く込み上げてくる
「人を幸せにする力
こんな細ぇ体で、どーやって作ってるんだよ」
「……っ///」
「会う度に惚れさせて、どーしてくれんの」
この手や声では、表現出来ないくらい
蘭を想う気持ちが、止めどなく溢れ出す
「込み上げるこの感情が伝わるように
うまく言葉にしてぇのに、出来ない。
だから抱きしめた」
「……っ」
「……理由、分かったか?」