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はじめてのひと。
第7章 甘い時間

夕食を終え、食器とゴミを片付けながら彼に聞く。

「千紘くん、シャワー入るなら入ってきていいよ?片付けももう終わるし…」

「んー…一緒に入る?」
彼は涼しげな笑顔を作りながらさらっと聞いてきた。


「…っ、ひ、1人でどうぞっ私は家で入って来たしっ…」


いきなりの誘いにびっくりして一瞬凍りついたように固まってしまった。


顔が赤くなるのが自分でもわかり、喉からやっと絞り出した返事は素っ気ないものしか出てこなかった。


「ざんねーん。すぐ出てくるね」

そう言うとこどもがするみたいにくしゃっと笑いバスルームへ消えていった。



なんか立場逆転しつつある気がするな…いや、これは成長か?

ふう…と一息つき、今後の彼の成長ぶりを心配しながら残りの片付けを済ませる。


バスルームから聞こえていたシャワーの音が止み、暫くしてTシャツにスウェット姿の彼が現れた。


グラスに水を注ぎ、それを一気に飲み干し、グラスを置くとキッチンのすぐ近くに立っていた私に向かって言った。

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