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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第23章 23 新しい命
「う、ううっ、うぅ」
「と、隣へ。あんたはまた外で湯を沸かして」
「わ、わかったっ」
息つく間もなく朱彰浩は急ぎ外へ飛び出した。腰を押さえながら呻き、晶鈴は京湖の隣に横たわる。
「ごめ、ん。邪魔しちゃって――」
「気にしないで、今度は自分のことだけ考えて!」
母となった京湖は力強い瞳で見つめ、晶鈴がしたように彼女も強く手を握った。脇に赤ん坊を抱えたまま。
「もう、頭が出とる! いきみなされ!」
「くうううっ――」
「ほれ! もうちょい!」
「あああっ!」
「――!」
またまた激しく大きな産声が小屋を震わせる。外で湯を沸かしていた彰浩の耳にも届く。
「これはまた元気の良い女の子で」
痛みから一気に解放され晶鈴も喜びに包まれる。声にならないまま赤ん坊を抱く。仲良く並んだ晶鈴と京湖はうるんだ瞳と喜びを交換し合う。
「あっという間でございましたなぁ。まるで双子のようでございましゅよ」
安産ではあったが、二人取り上げるということは大変なことのようで、老婆は随分疲労したようだった。
「これを……」
彰浩が礼金の入った小袋を渡す。
「こりゃあ、どうも」
頭を下げて恭しく受け取ると、老婆の疲労が少し軽減されたようだった。
「ありがとう、おばあさん」
「なんの、なんの。まあしかしこうも同じ時間帯に生まれるとは……」
ちらっと彰浩を見上げて「まあ、そういうこともあろうか」と納得したように頷く。
「町へ送ってくる」
彰浩はもう一度赤ん坊の顔を覗き込み、満足した様子で老婆と外へ出ていった。
「と、隣へ。あんたはまた外で湯を沸かして」
「わ、わかったっ」
息つく間もなく朱彰浩は急ぎ外へ飛び出した。腰を押さえながら呻き、晶鈴は京湖の隣に横たわる。
「ごめ、ん。邪魔しちゃって――」
「気にしないで、今度は自分のことだけ考えて!」
母となった京湖は力強い瞳で見つめ、晶鈴がしたように彼女も強く手を握った。脇に赤ん坊を抱えたまま。
「もう、頭が出とる! いきみなされ!」
「くうううっ――」
「ほれ! もうちょい!」
「あああっ!」
「――!」
またまた激しく大きな産声が小屋を震わせる。外で湯を沸かしていた彰浩の耳にも届く。
「これはまた元気の良い女の子で」
痛みから一気に解放され晶鈴も喜びに包まれる。声にならないまま赤ん坊を抱く。仲良く並んだ晶鈴と京湖はうるんだ瞳と喜びを交換し合う。
「あっという間でございましたなぁ。まるで双子のようでございましゅよ」
安産ではあったが、二人取り上げるということは大変なことのようで、老婆は随分疲労したようだった。
「これを……」
彰浩が礼金の入った小袋を渡す。
「こりゃあ、どうも」
頭を下げて恭しく受け取ると、老婆の疲労が少し軽減されたようだった。
「ありがとう、おばあさん」
「なんの、なんの。まあしかしこうも同じ時間帯に生まれるとは……」
ちらっと彰浩を見上げて「まあ、そういうこともあろうか」と納得したように頷く。
「町へ送ってくる」
彰浩はもう一度赤ん坊の顔を覗き込み、満足した様子で老婆と外へ出ていった。