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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第3章 3 太極府
「これ、晶鈴。帰宅が遅いぞ」
長い白いひげを蓄えた、長身のほっそりした陳賢路老師が声をかけてくる。
「すみません。陳老師。今日は出会う人が多かったものですから」
「ほうほう。どれこっちで話を聞かせてもらおうかの」
老師のあとについて晶鈴は占術の邪魔をしないように静かに歩いた。隔てる壁やついたてはなく、占い師たちは各々研鑽している。細長い棒を何本も持つもの、水晶の玉をのぞき込んでいるもの、札を何枚も扱っているもの様々だった。
話をするときだけ、小部屋に入る。
「で、今日はどうであったかな」
優しそうに孫娘に語り掛けるようなまなざしを向ける。この太極府で一番権力を持つ彼だが、晶鈴は緊張することなく安心して話すことができる。
「えっと、あ、うーんと」
「どうした?」
王子のことを占ったことをどうごまかそうかと思案しているうちに、老師に続きを言われてしまう。
「今日は二回占ったであろう」
「はっ、あ、はい……」
「だから遠慮せずに申すがよい」
老師には隠し事ができないなと、晶鈴は詳細を話した。
長い白いひげを蓄えた、長身のほっそりした陳賢路老師が声をかけてくる。
「すみません。陳老師。今日は出会う人が多かったものですから」
「ほうほう。どれこっちで話を聞かせてもらおうかの」
老師のあとについて晶鈴は占術の邪魔をしないように静かに歩いた。隔てる壁やついたてはなく、占い師たちは各々研鑽している。細長い棒を何本も持つもの、水晶の玉をのぞき込んでいるもの、札を何枚も扱っているもの様々だった。
話をするときだけ、小部屋に入る。
「で、今日はどうであったかな」
優しそうに孫娘に語り掛けるようなまなざしを向ける。この太極府で一番権力を持つ彼だが、晶鈴は緊張することなく安心して話すことができる。
「えっと、あ、うーんと」
「どうした?」
王子のことを占ったことをどうごまかそうかと思案しているうちに、老師に続きを言われてしまう。
「今日は二回占ったであろう」
「はっ、あ、はい……」
「だから遠慮せずに申すがよい」
老師には隠し事ができないなと、晶鈴は詳細を話した。