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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第25章 25 薬の効果
 慶明は出来上がった薬をもって母のもとへ行く。虚ろな母は、ぼんやりと空を見ながら枕を二つあやしている。使用人を下げ二人きりになり、そっと温かい薬湯を差し出す。

「かあさま。さあ」
「ん? なあに?」
「これ、美味しいですよ」
「んー。あまり飲みたくない」
「そんなこと言わずに」
「んん。じゃあちょっとだけ」

 飲んでもらわないと始まらないので、飲む気になった母に安堵する。飲みやすいように甘みをつけているので喜んで飲むはずだった。ごくんごくんと喉を鳴らして母親は飲み切った。ふうっとため息とついて彼女はまた枕を抱いて何やら子守唄を歌う。そのうちに変化が見られ始めた。虚ろな目が慶明を直視し始める。

「慶明? あら、どうしたのかしら。なんだか頭が軽くなったような」
「かあさま……」
「まあまあどうしたの。そんな顔をして」

 また正常な母に会えた嬉しさで慶明の表情は崩れる。母親はそっと両手で彼の頬を包み込んだ。

「そろそろ、あなたの兄と妹が亡くなって20年になるのね。かあさまもいつまでもこのままじゃいけないわね。孫の面倒も見なければ」

 彼女の中では、時間の経過や現状がどうなっているか理解しているようだった。慶明は自分のこともちゃんと知っていてくれているのだと安堵する。
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