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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第31章 31 上京
「とにかく今日はもここでお休みください。もう少し話し合いましょう」
「いえ、宿を探しますわ」
「ふふ。もう二人とも夢の中ですよ」
慶明の視線の先には、彰浩に抱かれた二人の子供たちが抱き合って眠っているところだった。慶明は、使用人に合図をして家族を泊まれるように手配し案内させた。
これからどうしようかと慶明が考えているところへ、下女の春衣がやってきた。彼女はもう女中頭で屋敷の中のことをほとんど取り仕切っている。
「慶明さま、もしかして先ほどの子供は?」
「ああ、気づいたか。晶鈴の娘だ」
「まあ! やはり! で、晶鈴さまは?」
春衣は懐かしさで胸がいっぱいになる。
「それが、さらわれたようで行方が分からんのだ」
「そんな……。これからどうするおつもりですか?」
「しばらく考える。――このことは夫人には内緒にしておいてくれ」
「え、ええ。もちろんです」
さらに慶明と秘密を共有しているという優越感を得る。学問ばかりの夫人よりも、自分のほうがよほど慶明と近しい関係だと春衣は自負している。
「いえ、宿を探しますわ」
「ふふ。もう二人とも夢の中ですよ」
慶明の視線の先には、彰浩に抱かれた二人の子供たちが抱き合って眠っているところだった。慶明は、使用人に合図をして家族を泊まれるように手配し案内させた。
これからどうしようかと慶明が考えているところへ、下女の春衣がやってきた。彼女はもう女中頭で屋敷の中のことをほとんど取り仕切っている。
「慶明さま、もしかして先ほどの子供は?」
「ああ、気づいたか。晶鈴の娘だ」
「まあ! やはり! で、晶鈴さまは?」
春衣は懐かしさで胸がいっぱいになる。
「それが、さらわれたようで行方が分からんのだ」
「そんな……。これからどうするおつもりですか?」
「しばらく考える。――このことは夫人には内緒にしておいてくれ」
「え、ええ。もちろんです」
さらに慶明と秘密を共有しているという優越感を得る。学問ばかりの夫人よりも、自分のほうがよほど慶明と近しい関係だと春衣は自負している。