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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第36章 36 出会い
 食事がすむと男は陶器の傷の有無や割れなどを調べる。京湖も何か手伝いたいと申し出ると男は嬉しそうに、陶器のざらつきを砥石でそっととってほしいと頼まれた。陶器はすべて日用雑器で大きさが色々な碗が多かった。壷なども作るが、今回は遠出をするつもりだったので、重なる碗を数多く作ったということだった。

「ラージハニ様は中華国に行ったことはありますか?」
「いいえ。国から出たことはないの。ところで様はつけないでわたしはもう乞食同然なのよ」
「では、これから中華国に行くことですし、京湖とお呼びします」
「京湖?」
「あなたの名前を漢風にしてみました。都の湖という名前です」
「綺麗な名前ね。あなたの漢名は?」
「彰浩。朱彰浩です」
「彰浩。京湖」

 新しい名前を得て嬉しくて何度かつぶやいた。

「夫婦だと国を出やすいので、名を聞かれたら、朱京湖と答えてください」
「わかったわ。でもその言葉遣いはやめて。夫らしくないわ」

 笑う京湖に彰浩は「あ、そうですね」とまた答えた。

「お互いに練習が必要ね」

 しばらく時間がかかったが言葉の変化とともに二人のかかわりも変化していった。
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