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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第41章 41 思惑
「そういえば春衣は昔、反抗的な感じだったけど最近は丸くなってきたのかしらね」

 彼女にこそいい縁談話はないかしらと絹枝は考え始める。春衣が慶明に恋心を抱いていることなど、つゆほど知らず誰かいい人はいないかと知り合いを思い浮かべるが、いなかった。基本的に学問にしか興味を持つことがないので、俗っぽい人付き合いをしていないのだ。それこそ、慶明にあたってみるべきで、春衣にいい縁談があるか占ってみてもらえばよい。
 長い廊下を考えながら歩くだけで、柱の美しさや格子の窓の洗練された幾何学模様を、何一つ見ずに書斎に入る。

「あら?」

 庭の植木が一斉に植え替えられていることには気づかないのに、自分の筆立ての位置が違うことに気づく。誰かが掃除にでも入ったのかと周囲を見たが、昨日、削った竹簡のカスが床に落ちたままになっているのを見つける。

「気のせいかしらね」

 ここのところ天候があまり良くないせいか、頭が重いので気のせいかと気にしないようにした。
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