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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第43章 43 事故
「いい子だからじっとしていなさい」
「あの、ここは、明兄さまと、わたし……?」
慶明が目配せすると、明樹が説明をし始める。
「馬から落ちたんだ。覚えてる?」
「馬から? 乗った後の記憶が……」
どうやら眠ったことに気づいていないようだった。
「すみません。ご迷惑をかけてしまって」
「こちらこそすまない。体調が悪かった時に誘ってしまって」
「いえ、とくに体調が悪かったわけでは」
星羅も自分がどうして落馬したのかわからない。馬車で眠ることがあったとしても、自ら手綱をもって御する馬の上で寝ることなど考えられなかった。
慶明は夫人の絹枝もめまいのため橋から落ちそうになっていた。改めて星羅の脈をはかると、絹枝と同じ症状が出る。
「どういうことだ……」
「あの、おじさま?」
「ああ、心配しなくていい。特にどこも悪くない。もう少し休んだら明樹に馬車で送らせよう」
「平気なら歩いて――」
「だめだ。身体は平気でも眠気があったら、何かあったら晶鈴に申し訳が立たぬ」
「は、はあ」
「良いな。もうしばらく休ませて送っていくんだぞ」
「わかりました。父上」
「じゃあ星羅。あまり無茶をしないように」
「自粛します」
叱られたとばつの悪そうな表情をする星羅が愛しく思えた。慶明は星羅と明樹を部屋に残し、自室へ戻ることにした。
「絹枝と星羅。同じころに眠気とは……」
「あの、ここは、明兄さまと、わたし……?」
慶明が目配せすると、明樹が説明をし始める。
「馬から落ちたんだ。覚えてる?」
「馬から? 乗った後の記憶が……」
どうやら眠ったことに気づいていないようだった。
「すみません。ご迷惑をかけてしまって」
「こちらこそすまない。体調が悪かった時に誘ってしまって」
「いえ、とくに体調が悪かったわけでは」
星羅も自分がどうして落馬したのかわからない。馬車で眠ることがあったとしても、自ら手綱をもって御する馬の上で寝ることなど考えられなかった。
慶明は夫人の絹枝もめまいのため橋から落ちそうになっていた。改めて星羅の脈をはかると、絹枝と同じ症状が出る。
「どういうことだ……」
「あの、おじさま?」
「ああ、心配しなくていい。特にどこも悪くない。もう少し休んだら明樹に馬車で送らせよう」
「平気なら歩いて――」
「だめだ。身体は平気でも眠気があったら、何かあったら晶鈴に申し訳が立たぬ」
「は、はあ」
「良いな。もうしばらく休ませて送っていくんだぞ」
「わかりました。父上」
「じゃあ星羅。あまり無茶をしないように」
「自粛します」
叱られたとばつの悪そうな表情をする星羅が愛しく思えた。慶明は星羅と明樹を部屋に残し、自室へ戻ることにした。
「絹枝と星羅。同じころに眠気とは……」