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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第43章 43 事故
2人とも学問のための夜更かしをしがちなのは理解できるので、寝不足なることがあるのは知っている。しかし揃いもそろって同じ時刻に事故を起こしそうなほどの睡眠不足はおかしい。脈診では何も異常はないようだった。
「眠気か」
眠りに関して考えていると、誰かが眠れないと言っていたことも思い出したが、誰だったか忘れてしまった。今の慶明は王族を含む何人もの診察を行っているで、診療記録をみないと誰が何を訴えてきているかわからなかった。幸い今重病人はいない。
「まあ何事もなかったのだが」
すっきりしないが追求しようがなく、この件は忘れられていく。
陰で一部始終を見ていた春衣は「もうこの薬は使えない」と悔しそうに唇をかんだ。今日に限って、慶明が早帰りし絹枝を助けてしまった。また陸家から帰宅するときに、ちょうど明樹が星羅を遠乗りに誘ったので、春衣が手を下すことができなかった。
「運のいい……」
連続して睡眠薬を使えば、怪しんだ慶明が自分の犯行にたどり着いてしまうだろう。しばらく大人しくすることにして次のチャンスをうかがうのだった。
「眠気か」
眠りに関して考えていると、誰かが眠れないと言っていたことも思い出したが、誰だったか忘れてしまった。今の慶明は王族を含む何人もの診察を行っているで、診療記録をみないと誰が何を訴えてきているかわからなかった。幸い今重病人はいない。
「まあ何事もなかったのだが」
すっきりしないが追求しようがなく、この件は忘れられていく。
陰で一部始終を見ていた春衣は「もうこの薬は使えない」と悔しそうに唇をかんだ。今日に限って、慶明が早帰りし絹枝を助けてしまった。また陸家から帰宅するときに、ちょうど明樹が星羅を遠乗りに誘ったので、春衣が手を下すことができなかった。
「運のいい……」
連続して睡眠薬を使えば、怪しんだ慶明が自分の犯行にたどり着いてしまうだろう。しばらく大人しくすることにして次のチャンスをうかがうのだった。