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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第47章 47 顔合わせ
 寮生活を行っているものは、見習いの立場のものだけだ。その上の助手の立場になると、給金が上がるので一人暮らしをすべく出ていくものが多い。軍師見習いのみならず、薬師、占術師、兵士などの見習いたちも住んでいるので大所帯だ。
寮は男女で場所が分かれているので、ここには男しかいない。なんだか妙に汗臭い気がして、星羅はこっそり袖で鼻を押さえる。
 徐忠正の部屋は一階の角部屋で静かな場所にあった。

「ほう、いいところじゃないか」

 孫教官が持ってきた酒の壷を床に置いて部屋を見回す。6畳程度のワンルームで寝台と机がある。見習いたちは寝に帰るくらいなので不便さはなかった。

「厨房に行って杯を4つと、何かつまみをもらってこい」
「え!?」
「大丈夫大丈夫。孫がそう言ってると言えば、厨房のオヤジがちゃんと渡してくれるから、ほら行った行った」

 徐忠正は言われるまま部屋を出ていった。

「さて、お前たちはそこら辺に座れよ」

 星羅と郭蒼樹は適当に距離をとって座る。ほんのわずかな時間で徐忠正は盆を持って現れた。

「あのー、教官。なんかもう用意されてました」
「ほう。そうかそうか。気が利くじゃねえか厨房のオヤジのやつ」

 不思議そうな顔をする3人に孫公弘は説明する。

「昨日言っておいたのさ。今日は酒盛りになるかもってな」

 今一つよくわからない顔をしていると続けて孫公弘は「おれもここに住んでるんだ。この隣にな」と笑った。
 それを聞いた徐忠正はぽかんとする。

「寮生活、楽しそうだな」

 郭蒼樹が徐忠正の肩をポンと叩く。本当にそう思っているのか、皮肉なのか無表情なのでわからない。

「さあ、飲んで食おうぜ」
 
 孫公弘は大きめの杯になみなみと酒を注ぎ、乾杯と杯を掲げた。
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