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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第53章 53 接近
珍しく神妙な面持ちで教官の孫公弘が教室に入ってきた。軍師見習いの三人が静かに学習していようが、討論していようが、いつもはお構いなく混じってくる。ところが今日は静かにこほんと咳払いをして「皆、こちらへ座るように」と指示する。
星羅たちは顔を見合わせ、ちょっと変な表情を見せ黙って座った。
「えーと、今日から週に一度だけ聴講生がいらっしゃる」
おかしな物言いに徐忠弘が「聴講生にいらっしゃるだってさ」と星羅に囁く。
「そこ、静かに。今紹介する、いやさせていただくので皆もちゃんと挨拶する様に」
明らかに気を使っている様子に、三人はどんな人物がやってくるのか息をのんで待つ。孫教官が深く頭を下げ「どうぞ」と丁寧に椅子を出す。
すっと入ってきた男は軍師見習いの着物と同じく空色の着物だが、頭にかぶっている冠が装飾が華美ではないものの、金細工の美しいものだった。落ち着いていて立ち振る舞いが美しいので、孫教官よりも年配にみえるが、艶のある漆黒の髪が若々しさを感じさせる。
郭蒼樹は声を出さずに、あっと口を開けた。
「知ってるの?」
星羅が尋ねると「あの方は……」と言いかけて口をつぐむ。
星羅たちは顔を見合わせ、ちょっと変な表情を見せ黙って座った。
「えーと、今日から週に一度だけ聴講生がいらっしゃる」
おかしな物言いに徐忠弘が「聴講生にいらっしゃるだってさ」と星羅に囁く。
「そこ、静かに。今紹介する、いやさせていただくので皆もちゃんと挨拶する様に」
明らかに気を使っている様子に、三人はどんな人物がやってくるのか息をのんで待つ。孫教官が深く頭を下げ「どうぞ」と丁寧に椅子を出す。
すっと入ってきた男は軍師見習いの着物と同じく空色の着物だが、頭にかぶっている冠が装飾が華美ではないものの、金細工の美しいものだった。落ち着いていて立ち振る舞いが美しいので、孫教官よりも年配にみえるが、艶のある漆黒の髪が若々しさを感じさせる。
郭蒼樹は声を出さずに、あっと口を開けた。
「知ってるの?」
星羅が尋ねると「あの方は……」と言いかけて口をつぐむ。