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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第53章 53 接近
「えーっと蒼樹はおそらく存じておろう。このお方は王太子の曹隆明殿下だ。粗相のないように」
星羅と徐忠正はまた顔を見合わせて驚いていた。郭蒼樹は軍師の家柄であるので、王族のことを知っていたのだろう。それでも王太子が聴講生ということで驚きを隠せない。
中年であろう曹隆明は透き通った低い声で「そのように緊張しないでほしい」と笑んで見せた。
「えーっと殿下は、これから即位するまでに、ご自身でももう少し勉強をしたいということだ。ご公務もあるので月に二度ほどここに通われるそうだ」
「よろしく頼む」
ざわざわする三人だが、気さくな徐忠正が「教官」と挙手した。
「なんだ。忠正」
「殿下の歓迎会をするんですか? 俺んちで」
「ば、ばかもの! そのような品のないことはせぬ!」
慌てて孫公弘は手を振った。それを見て曹隆明が「歓迎会とな? 私にはしてくれぬのか」と孫公弘に尋ねた。
「そんな、こんな庶民の歓迎会など殿下には不愉快なだけです。何か御身にあったら」
顔を赤くさせたり青くさせたり忙しい孫公弘に「冗談だ」と隆明は優しく告げる。余計なことを言った徐忠弘をにらんだ後、「では、学習を続けるように、俺は教官室にいる。何かあればすぐに言いに来るんだぞ」と隆明に深く礼をした後教室から出ていった。
軍師見習いの3人が顔を突き合わせていると、隆明が話しかける。
「私のことは気にするな。これまでの続きをするがいい」
そういわれて、とりあえず三人でやっていた軍略の続きを始める。
星羅と徐忠正はまた顔を見合わせて驚いていた。郭蒼樹は軍師の家柄であるので、王族のことを知っていたのだろう。それでも王太子が聴講生ということで驚きを隠せない。
中年であろう曹隆明は透き通った低い声で「そのように緊張しないでほしい」と笑んで見せた。
「えーっと殿下は、これから即位するまでに、ご自身でももう少し勉強をしたいということだ。ご公務もあるので月に二度ほどここに通われるそうだ」
「よろしく頼む」
ざわざわする三人だが、気さくな徐忠正が「教官」と挙手した。
「なんだ。忠正」
「殿下の歓迎会をするんですか? 俺んちで」
「ば、ばかもの! そのような品のないことはせぬ!」
慌てて孫公弘は手を振った。それを見て曹隆明が「歓迎会とな? 私にはしてくれぬのか」と孫公弘に尋ねた。
「そんな、こんな庶民の歓迎会など殿下には不愉快なだけです。何か御身にあったら」
顔を赤くさせたり青くさせたり忙しい孫公弘に「冗談だ」と隆明は優しく告げる。余計なことを言った徐忠弘をにらんだ後、「では、学習を続けるように、俺は教官室にいる。何かあればすぐに言いに来るんだぞ」と隆明に深く礼をした後教室から出ていった。
軍師見習いの3人が顔を突き合わせていると、隆明が話しかける。
「私のことは気にするな。これまでの続きをするがいい」
そういわれて、とりあえず三人でやっていた軍略の続きを始める。