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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第57章 57 故郷
早朝、支度を終え朝食を食べているところへ、すれ違いの生活だった兄の京樹が帰ってきた。
「京にい、どうしたの? なんだか疲れてる顔ね」
「そんなことないさ」
「ほんとう? 京樹、星羅の言う通りやつれているように見えるわ。眠る前に粥をお食べなさいな」
「ん、じゃ少しだけ」
京樹は食欲はあまりなかったが余計に心配されるといけないと思い、星羅の隣に座り粥を待つ。ことりと湯気の立つ器を置いた京湖は二人を見比べふっと笑む。
「息子が2人にみえるわね」
「確かに、星羅の男装も板についてる。まず女人だと思われないだろうな」
「そうなの。見習いの二人は気づいてないみたい。でもね一人わたしが女人だと最初からわかってた人がいるの」
「へえ。それはすごいわね」
「でもその人はその格好のほうが安心だろうねって」
「なかなかの好人物だね」
「ええ、厩舎の馬の世話をしてくれていて、優々がとても懐いてるの。あ、もう行かなきゃ。またね京にい」
慌てて食卓を立ち、星羅は包みを小脇に抱えた。
「いってらっしゃい」
透き通った微笑みを見せ、そよ風のように家を出ていった。可憐な男装の後姿を見送ったのち京樹は深いため息をついた。
「京にい、どうしたの? なんだか疲れてる顔ね」
「そんなことないさ」
「ほんとう? 京樹、星羅の言う通りやつれているように見えるわ。眠る前に粥をお食べなさいな」
「ん、じゃ少しだけ」
京樹は食欲はあまりなかったが余計に心配されるといけないと思い、星羅の隣に座り粥を待つ。ことりと湯気の立つ器を置いた京湖は二人を見比べふっと笑む。
「息子が2人にみえるわね」
「確かに、星羅の男装も板についてる。まず女人だと思われないだろうな」
「そうなの。見習いの二人は気づいてないみたい。でもね一人わたしが女人だと最初からわかってた人がいるの」
「へえ。それはすごいわね」
「でもその人はその格好のほうが安心だろうねって」
「なかなかの好人物だね」
「ええ、厩舎の馬の世話をしてくれていて、優々がとても懐いてるの。あ、もう行かなきゃ。またね京にい」
慌てて食卓を立ち、星羅は包みを小脇に抱えた。
「いってらっしゃい」
透き通った微笑みを見せ、そよ風のように家を出ていった。可憐な男装の後姿を見送ったのち京樹は深いため息をついた。