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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第58章 58 隊商
「待っててね。明々。どうぞかあさま」

 手を貸して、京湖とスパイスの入った麻袋を降ろす。

「お茶を入れてるわね」

 麻袋を一抱えもって京湖は小屋に入っていった。星羅は優々を厩舎に入れ水をやる。そして一塊の岩塩を明々の飼い葉おけの隣の桶に入れてやる。
 明々は嬉しそうに目を細め、ペロリペロリを塩をなめる。

「おいしい?」

 しばらく舐めると明々は顔を上げ、星羅の頬も舐めた。

「ふふっ。もういいの? まだあるよ」

 少し舐めれば満足するようで、明々は脚を折り目を閉じた。昼寝をするようだ。

「優々もお疲れさま」

 優々も明々をみると眠気が移ったのか、座り込んだ。大きさの違う二頭は仲良く休憩をするようだ。静かに星羅は厩舎を出てため息をつく。おそらく京湖もため息をついているだろう。

 養父の彰浩と、医局長の陸慶明に今日聞いた商人の話をして、二人の考えを聞いてみようと星羅は思っていた。本当はすぐにでも探しに行きたい気持ちがあるが、思ったまま行動に移すほど、星羅は無謀ではなかった。 
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