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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第59章 59 懺悔
「それで、話とは?」

 星羅は母の京湖と西国のキャラバンによる市に行った時の話をした。

「晶鈴が浪漫国に……」
「その夜、父とも話したのですが、西国も浪漫国もいまだに奴隷制度があるらしいですね」
「ああ、わが華夏国ではすっかり解放された奴隷も、隣国にはまだある。宦官すらまだ廃止されてないところも多いだろう」

 曹王朝の高祖が求賢令を発布したときに、まったく身分を問われなかった。さすがに犯罪者の登用だけはなされなかったらしい。その時から、奴隷の身分が解放され、宦官も廃止される。
宦官がいなくなっただけでも朝廷の腐敗はなくなり、奴隷解放によって国家の生産性は上がった。他国に比べて思い切った政策は華夏国の誇りでもあった。

「母がもしや奴隷にでもなっていたら」

 まだ見ぬ母の身を案じ星羅は胸を痛めている。

「いや、晶鈴のことだ。奴隷になどなるまい。太極府でも晶鈴は心配ないと言われただろう?」
「ええ……」
「とにかくこちらからは動けまい。京湖どののこともあるし。外交官として西国に行けるのは軍師助手以上だったな」
「そうです。見習いから上がらなければ……」
「うん。やみくもに一人で西国に行っても、ましてや浪漫国行っても何も成果が得られないだろうな。とにかく星羅は精進するしかない」
「ですね」

 十数年ぶりに得たと思った母の情報は、もっと遠くの国にいるかもしれないということだけだった。華夏国内であれば、晶鈴の行方を把握できていたが、国外はさすがに難しい。

「希望を捨ててはいけないよ。晶鈴はきっと無事だ」
「外国で漢民族は目立つかもしれませんね」
「ああ……」

 慶明は図書館長の張秘書監に紹介状を書いてくれた。本来なら軍師見習いの身分では会えることが叶わない人物である。国家の図書館であれば、浪漫国のことをもっと詳しく調べられるだろうということだった。
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