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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第7章 7 立太子
 陳賢路はより白くなった長いひげを撫で、青い空を見上げ夜空の星を思い起こす。

「昼間は星が見えん。見えないものがあるのは仕方がない」

 常々占術によって最善の選択をしてきた王朝だが、やはり予想外のことも起きてしまう。人々や物事が、宿命によって決まった末路をたどることはないが、星読みの陳賢路にとってのジレンマでもあった。また老いてきた自分の残された時間も気になっている。医局には慶明のような次世代を担う人物がいるが、太極府ではとびぬけたものが出ていない。的中率の高さでは、晶鈴が群を抜いているが彼女は短期間のことしか観れない卜術使いだ。できれば長期間観ることができる、星読みを後継者にしたかった。

「これも天意だろうか」

 10年に一度は出ていた突出した存在が今は現れぬ。今夜も夜空を見ながら、星の瞬きに尋ねるしかないと陳賢路は太極府へと向かった。

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