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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第60章 60 面影
 張秘書監は空色の衣の星羅を、立派な孝行息子だと思い眺めていた。

「しかし彼は陸殿の息子ではないのだなあ」

 父親が誰なのか張秘書監は知らない。都を出る理由になった、占術の能力を失った原因がそもそも妊娠であったことも知らないのだ。
突然、現れた朱星雷を見れば、胡晶鈴の面影がありありとみえ、彼女を知るものは誰もが晶鈴の子と思うだろう。
 ただ父親の面影がまるで見えない。男装をしているので、父親から受け継いだ美しい漆黒の髪はすっかり隠されている。おかげで、各省のトップたちは、王太子、曹隆明によく会っているにもかかわらず、星羅の父親であるとわかるものは誰もいなかった。
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