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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第61章 61 郭家にて
王太子の曹隆明が帰った後、星羅と徐忠弘は二人で話し合う。
「王太子様の音楽会だぞ? どうするよ」
「この格好だとまずいのかな」
星羅は男装の着物はこの軍師省のものしかなかった。娘の格好に戻すのであれば、もう少し凝った装いができるのにと思ったが、いきなり娘の装いで行くのは変だろうと思い、その考えはやめる。
「今から新調するのも時間がかかるだろうな。家に帰るほうがましか」
徐忠弘は裕福なので、こういった集まりで着ていく上等な着物は持っているが実家に合った。馬を飛ばせば来週の音楽会には間に合いそうだ。
「ちょくら家に帰って着物をとってくるよ。こんな機会めったにないし」
「そうだな。しばらく家族とも会っていないだろうから様子を知らせるといいよ」
「だな。じゃ、これで」
「も、もう?」
徐忠弘は時間が惜しいようで、すぐに帰ってしまった。どうしようかと思案している星羅に郭蒼樹は声を掛ける。
「星雷」
「ん?」
「俺のところに来るか。着物くらい貸してやろう」
「え、蒼樹の着物?」
「うん。忠弘に貸すにはちょっと大きいだろうが、星雷には大丈夫だろう」
徐忠弘は星雷よりも背が低く、蒼樹とは頭1つ半背丈が違うが、星羅はまだ頭一つ分くらいの差だった。
「いいのかい?」
「ああ、うちは、それ用の着物はまあまああるから」
「そうか。僕は着物はこれしかないからな……」
「それだけ?」
「あ、いや。普段着はあるけど」
「ふーん。まあ、忠弘も帰ってしまったことだし、今から行くか」
「王太子様の音楽会だぞ? どうするよ」
「この格好だとまずいのかな」
星羅は男装の着物はこの軍師省のものしかなかった。娘の格好に戻すのであれば、もう少し凝った装いができるのにと思ったが、いきなり娘の装いで行くのは変だろうと思い、その考えはやめる。
「今から新調するのも時間がかかるだろうな。家に帰るほうがましか」
徐忠弘は裕福なので、こういった集まりで着ていく上等な着物は持っているが実家に合った。馬を飛ばせば来週の音楽会には間に合いそうだ。
「ちょくら家に帰って着物をとってくるよ。こんな機会めったにないし」
「そうだな。しばらく家族とも会っていないだろうから様子を知らせるといいよ」
「だな。じゃ、これで」
「も、もう?」
徐忠弘は時間が惜しいようで、すぐに帰ってしまった。どうしようかと思案している星羅に郭蒼樹は声を掛ける。
「星雷」
「ん?」
「俺のところに来るか。着物くらい貸してやろう」
「え、蒼樹の着物?」
「うん。忠弘に貸すにはちょっと大きいだろうが、星雷には大丈夫だろう」
徐忠弘は星雷よりも背が低く、蒼樹とは頭1つ半背丈が違うが、星羅はまだ頭一つ分くらいの差だった。
「いいのかい?」
「ああ、うちは、それ用の着物はまあまああるから」
「そうか。僕は着物はこれしかないからな……」
「それだけ?」
「あ、いや。普段着はあるけど」
「ふーん。まあ、忠弘も帰ってしまったことだし、今から行くか」