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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第61章 61 郭家にて
 もう一度着替えなおして、軍師省の着物に戻る。こちらは着慣れているので迷うことなく腰に帯を締めた。

「星雷って本名か?」
「いや、ほんとは星羅」
「なるほどな」

 ばれてしまったが蒼樹は大して気にしていないようで、星羅はほっとする。

「そろそろ帰るよ」
「ああ」

 着物を風呂敷でくるみ星羅は背負った。上等な着物と帯は、たくさん絹を使われているようでずっしりと肩にくる。

「持って帰れるか?」
「ん? 平気だよ。落とさないから心配しないで」
「大丈夫ならいい」
「じゃ」

 星羅は優々に跨ってゆっくりかけだす。郭家をあとにし、しばらく馬を走らせているとふっと気づくことがあった。

「蒼樹に心配されたの初めてだな」

 何気ない気づきのせいで、蒼樹の心情の変化までは見通せなかった。
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