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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第62章 62 宴
 内輪の集まりとはいえ、やはり王族だ。庶民では観ることも聴くこともできない。子供のころから芸術に触れる機会が多かったという、徐忠弘でも舌を巻くようだ。

「いやあ、今までも国一番ってものを観てきたがそうでもなかったな!」
「本当だな。王太子様に感謝しなければ」

 興奮している星羅と忠弘にに蒼樹は優しく微笑んだ。

「蒼樹は慣れっこなんだな。やっぱり代々軍師家系は違うな」
「いや、そういうわけでもないが」

 単に感動が薄いだけのようで、蒼樹の関心は芸術にはさほど注がれないようだった。

「この桃もこんなに大きいものはないぞ」
「初めて見たよ、こんな大きい桃」
「古代では桃1つで大混乱が起こったこともあったからな」

 星羅は美しい歌と舞、そして素晴らしい果物と酒にまるで夢のようだと思った。ふっと正面の曹隆明と目が合う。隆明は優美な笑みをみせじっと星羅を見つめた。星羅はなんだか胸がどきどき高鳴るのを感じ、酒を飲みすぎてしまったのかと頭を振る。
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