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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第66章 66 酒場にて
 気が付くと優々と一緒に町をぶらついていた。

「星妹っ」
 
 後ろから明るい声がかかったので振り向いた。陸家の長男、陸明樹だった。

「明兄さま……」

 久しぶりに会った明樹は日焼けしていて精悍になっている。明樹も休みだったのか鎧を着ておらず、腰に剣だけを挿した着物姿だった。

「どうした? やけに暗いな」
「……」
「よし、そこで酒でも飲もう。星羅は飲める口だときいたぞ」
「あ……」

 まだ日は高く帰る予定の時刻には早かった。今暗い顔で帰ると、きっと京湖にいろいろ聞かれるだろう。誘われるまま明樹について酒場に入った。
 酒場は空いていて客はまばらだった。奥の川が見える座敷に座り、明樹は酒と肴を適当に頼んだ。
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