この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第66章 66 酒場にて
「よく来るのですか? 明兄さまは」
「うん。最近な。今、家に帰ると気を使うんだ」
陸慶明の側室、春衣のために慶明は色々な処方を試しているが一向によくならず、慣れない家事や使用人の采配に絹枝は、きりきり舞いし機嫌が悪い。さらに春衣が生んだ次男の貴晶への教育に慶明も絹枝も熱心なようで、明樹は蚊帳の外らしい。
「やっぱ家を継がない俺にはあまり興味がないらしい」
「そんな……」
「まあでも貴晶のおかげでもっと自由にできそうだけどな」
「兄さまったら」
杯を傾けながら明樹は明るく笑う。つられて星羅も杯を空け笑った。
「うん。星羅は笑っている顔が一番いいぞ。俺の周りの女兵士たちの怖い顔ったらさあ」
「まあ!」
明るい気性の明樹は、兵士の日常を面白く聞かせる。星羅も軍師省での毎日を話すと、明樹は関心を持って聞き入る。酒が回り、心が軽くなってきた星羅は思わず明樹に尋ねる。
「もしも、報われない恋をしたとしたら兄さまはどうします?」
「報われない? 最初からそんなものするかなあ」
「例えば好きになった人には他に好きな方がいたりとか」
「ああ、俺はあきらめるかなー」
「そうなのですね」
「他にも女人は大勢いるし、時がたてば好みも変わるのではないかな」
確かに歳を重ねれば、考え方その物も変わるかもしれない。
「うん。最近な。今、家に帰ると気を使うんだ」
陸慶明の側室、春衣のために慶明は色々な処方を試しているが一向によくならず、慣れない家事や使用人の采配に絹枝は、きりきり舞いし機嫌が悪い。さらに春衣が生んだ次男の貴晶への教育に慶明も絹枝も熱心なようで、明樹は蚊帳の外らしい。
「やっぱ家を継がない俺にはあまり興味がないらしい」
「そんな……」
「まあでも貴晶のおかげでもっと自由にできそうだけどな」
「兄さまったら」
杯を傾けながら明樹は明るく笑う。つられて星羅も杯を空け笑った。
「うん。星羅は笑っている顔が一番いいぞ。俺の周りの女兵士たちの怖い顔ったらさあ」
「まあ!」
明るい気性の明樹は、兵士の日常を面白く聞かせる。星羅も軍師省での毎日を話すと、明樹は関心を持って聞き入る。酒が回り、心が軽くなってきた星羅は思わず明樹に尋ねる。
「もしも、報われない恋をしたとしたら兄さまはどうします?」
「報われない? 最初からそんなものするかなあ」
「例えば好きになった人には他に好きな方がいたりとか」
「ああ、俺はあきらめるかなー」
「そうなのですね」
「他にも女人は大勢いるし、時がたてば好みも変わるのではないかな」
確かに歳を重ねれば、考え方その物も変わるかもしれない。