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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第66章 66 酒場にて
「そりゃいいな。母上も星妹を気に入っているようだし適当なところで結婚しよう」
「もう、明兄さまったら」
「はははっ、まあ飲もう!」

 明樹のおかげで、ふさぎ込むことが少なくて済んだ。星羅の考え事を深刻に受け止めて、一緒に悩んでもらうより笑って聞いてくれた明樹に感謝する。
 夕暮近くになると店が混んできたので出ることにした。

「ああ、星がでてきたな」

 朱色と青色の交わるあたりの空に一番星が出ている。

「帰れるか?」
「ええ。ありがとう、兄さま」
「気にすんな」

 馬の優々にまたがり星羅は明るく手を振って家路ついた。星の隣に半月があった。白く滑らかな肌の隆明を思い出し、胸がちくりとしたが涙は出なかった。
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