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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第67章 67 春衣の死
もう一滴の水も喉を通ることはないだろうと、陸慶明はやせ細った春衣の脈を測る。特に持病もなく、健康的だった春衣は、息子の貴晶を産んだ後見る見るうちに病に伏していった。最初、虚弱であった貴晶は今ではふっくらとし始め、食も太くなってきた。そのことを話すと、やせこけた頬が緩み、春衣は目頭が下がった。
「そなたももう少し口に何か入れられたら良いのだが……」
「いえ。もう充分です」
「何か欲しいものはないか?」
何を与えてももう意味がないと知りつつも、慶明は春衣に尋ねる。
「何も……」
「そうか……」
「旦那様。お仕事にいかなくて良いのですか?」
春衣は慶明がここ数日、医局に向かわないことを心配する。
「そなたの看病を私以外にできるものか」
慶明は苦笑して答えると、春衣が不思議そうな目で慶明を見つめてきた。
「そなたももう少し口に何か入れられたら良いのだが……」
「いえ。もう充分です」
「何か欲しいものはないか?」
何を与えてももう意味がないと知りつつも、慶明は春衣に尋ねる。
「何も……」
「そうか……」
「旦那様。お仕事にいかなくて良いのですか?」
春衣は慶明がここ数日、医局に向かわないことを心配する。
「そなたの看病を私以外にできるものか」
慶明は苦笑して答えると、春衣が不思議そうな目で慶明を見つめてきた。