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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第68章 68 恋心
 きっと父親のことを知っているはずだと星羅は陸慶明に会いに行く。これまで母、胡晶鈴のことだけは常々気にしていたが、父親の存在については養父母の朱彰浩も京湖も知らないので関心を寄せてはいなかった。初めて恋をした相手が、曹隆明でなければ父親のことを知りたいと思わなかったかもしれない。
 陸家の屋敷の門に着くと固く閉ざされていて、白装束を着た門番が一人だけ立っている。屈強そうな若い男は陸家を何度も訪れてきた星羅の顔見知りだ。

「あの、何があったのですか?」
「星羅さま。実はご側室がおなくなりに……」
「え、春衣さんが……」

 喪中のようで家人はみな白装束を着ているようだ。出直そうか、お悔やみを言おうか考えていると息子の陸明樹が小さな扉から出てきた。彼も白装束を着ている。

「あ、やあ星妹」
「明兄さま……。あの、この度は……。知らなくて……」
「春衣は側室だったということもあって、そんなに大きな葬儀はしていないのだ。何か用事か?」
「ええ、おじさまに。でも、また後日に」
「いや、星妹の顔を見ると元気が出るだろう。会ってほしい」
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