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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第68章 68 恋心
星羅は明樹の勧めで慶明に会うことにする。屋敷の中はいつも以上に静かで使用人の数も少なかった。先に通りがかりにある夫人の絹枝の書斎を覗く。
「こんにちは。絹枝老師」
「あら、星羅さん」
絹枝も白装束だ。ただ悲しんでいる様子はなく、事務処理に追われているようだ。
「おじさまにちょっとお聞きしたいことがあってきました」
「そう……。ちょっと気が滅入っているようだから、よかったら励ましてあげて。私はそういうことは、なんていうかあまり上手くなくて……」
「わたしでよければ」
「きっと顔を見ただけで気分転換にもなると思うから、ゆっくりしていって」
春衣の死を悼んではいるだろうが、それよりも現実的な処理に追われていて絹枝は忙しそうだった。今はまた学舎の卒業シーズンでもあるので、仕事のほうも忙しいのだろう。感傷的になる暇はないといった風だった。
「こんにちは。絹枝老師」
「あら、星羅さん」
絹枝も白装束だ。ただ悲しんでいる様子はなく、事務処理に追われているようだ。
「おじさまにちょっとお聞きしたいことがあってきました」
「そう……。ちょっと気が滅入っているようだから、よかったら励ましてあげて。私はそういうことは、なんていうかあまり上手くなくて……」
「わたしでよければ」
「きっと顔を見ただけで気分転換にもなると思うから、ゆっくりしていって」
春衣の死を悼んではいるだろうが、それよりも現実的な処理に追われていて絹枝は忙しそうだった。今はまた学舎の卒業シーズンでもあるので、仕事のほうも忙しいのだろう。感傷的になる暇はないといった風だった。