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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第70章 70 昇格
 軍師見習いから助手になった朱星羅と郭蒼樹は改めて、大軍師の馬秀永にあいさつをする。

「ほーっほっほ。また顔が見れたの。じゃが2人か」

 白く濁った眼で交互に星羅と蒼樹の顔を見る。

「まあ、しょうがない。助手も久しくいなかったくらいだし。軍師省が大所帯にはなるまいな。では精進する様に」

 軍師試験は定員制ではなく、高すぎる一定の水準を超えねばならなかった。そのため数年間、見習いさえいないときもある。星羅の年は豊作だったようだ。二人が助手に昇格したのち、見習い試験に受かったものがやっと一人出た。

「ここまで来たら後には引けないぞ」

 郭蒼樹は星羅に覚悟させるように言う。

「わかってる。忠弘はほんとうに引き際を知っていたんだな」
「うむ。辞めるものはやはり見習いのうちにやめるようだ」

 これから本格的な軍師の道を進む。助手からは朝議に参加できるようになり、その場で上奏することはできないものの、意見を教官以上のものに提出して審議してもらうことも可能になる。
 星羅は朝議で出ることで、頻繁に王太子の曹隆明に会えることが嬉しかった。
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